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使役動詞 make・have・let・get の使い分け|「させる」「してもらう」を話す練習

目次

週明けの雑談で、週末に美容院へ行った話をしようとしました。口から出たのは I cut my hair.。相手に Oh, by yourself? と聞き返されて、「自分で切ったんじゃなくて、切ってもらった」を英語でどう言うのか分からず、No, at the salon. と付け足して終わりました。

通じてはいます。ただ、「〜してもらう」「〜させる」を言えないままだと、人に頼んだこと・人にさせたことを 1 文で言う回路 が育ちません。まず 3 問、日本語を見て 3 秒で英語にしてみてください。

私は美容院で髪を切ってもらいました。I had my hair cut at the hair salon.
母は私に部屋を掃除させました。My mother made me clean my room.
私に手伝わせてください。Please let me help you.

3 問とも使役動詞の文です。日本語はどれも「させる」「してもらう」ですが、英語では have make let と動詞が変わります。選ぶ基準は文法のルールではなく、「相手がそれをどう思っているか」 です。この記事では、その選び方を話すときの判断に組み替えます。

使役動詞がとっさに出ないのはなぜ?

結論から言うと、日本語の「させる」「してもらう」が、英語では 4 つの動詞に分かれているのに、どれを選ぶかの判断材料を持っていないからです。

原因は 3 つに分けられます。

1つ目は、日本語の 1 語が英語の 4 語に分かれるから。 「息子にピアノを練習させた」は、無理やりなら make、習い事として当然なら have、本人がやりたがったなら let です。日本語では同じ「させた」なので、英語でだけ区別しろと言われても、どこを見て決めればいいか分かりません。

2つ目は、to を付けるかどうかで迷うから。 学校では want 人 to do、ask 人 to do、tell 人 to do を先に覚えます。その感覚で make me to cry と言いかけて、どこかで「使役動詞は to なし」と習ったのを思い出して止まる。しかも get だけは to が付く ので、余計に迷います。

3つ目は、「もの + 過去分詞」の語順に慣れていないから。 「髪を切ってもらった」は I had my hair cut. です。had の直後に cut を置くと I had cut my hair.(自分で切り終えていた)になってしまいます。「もの」を先に言ってから、それが「される」形を後ろに置く 語順が口に入っていないと、冒頭の場面のように I cut my hair. に逃げることになります。

足りないのは知識ではなく、「どの気持ちならどの動詞か」を一度体で覚えることです。英語そのものがとっさに出てこない感覚に悩んでいる方は、「英語が口から出てこない」は知識不足じゃない もあわせて読んでみてください。

使役動詞の一覧と、4 つの違い

会話で使う使役動詞は、この 4 つで足ります。

使役動詞形伝わること例
makemake + 人 + 原形相手の気持ちに関係なく「させる」(強制・感情を引き起こす)My mother made me clean my room.
havehave + 人 + 原形頼めばやってもらえる相手に「してもらう・させる」The teacher had us discuss in groups.
letlet + 人 + 原形相手がしたいことを「させてあげる」(許可)He let his younger brother play the game.
getget + 人 + to + 原形頼んだり説得したりして「してもらう」I got my friend to fix my car.

make は「させる」の中でいちばん強く、相手が嫌がっていても、という含みがあります。ただし主語が人でないときは強制ではなく、「〜のせいでそうなった」 という意味になります。The movie made me cry.(その映画を見て泣いてしまった)がその例です。

make・have・let・get はどう選ぶ?——「相手がどう思っているか」

結論から言うと、相手が嫌でもやらせるなら make、頼めば当然やってもらえるなら have、相手がやりたいなら let、頼み込んでやってもらうなら get です。

相手の気持ち動詞日本語の目安
やりたくない(でもやらせる)make〜させた・〜させられた
役割上やってくれる(先生・上司・店・家族の手伝い)have〜してもらった・〜させた
やりたがっているlet〜させてあげた・〜させて
すぐにはやってくれない(頼む・説得する)get … to〜してもらった(頼んで)

実際の会話では境目があいまいで、make have get はどれを使っても通じる場面が多くあります。SpeakSprint でも、日本語の「させた」「してもらった」から読み取れる範囲なら複数の動詞を正解として受け付けます。迷ったときは、相手が嫌がっていないなら have、嫌がっていたなら make と覚えておけば大きく外しません。let だけは「許可」なので、ほかの 3 つとは入れ替えられません。

make で言う練習(させる・〜のせいでそうなる)

前半は人に「させた」文、後半はもの・出来事が主語の文です。make の後ろの動詞を原形のまま、to を入れずに口に出してください。

母は私に部屋を掃除させました。My mother made me clean my room.
母に宿題を終わらされました。My mother made me finish my homework.
先生にみんなで文を声に出して読まされました。The teacher made us read the sentence aloud.
その映画を見て泣いてしまいました。The movie made me cry.
その冗談でみんな笑いました。The joke made everyone laugh.
その知らせで彼は考え直しました。The news made him think again.

後半の 3 問は、日本語に「させる」が出てきません。「〜で泣いた」「〜で笑った」「〜で考え直した」のように、原因がはっきりしている文は make で 1 文にまとまる ことが多いので、ここは覚えておくと便利です。

have で言う練習(してもらう・させる)

先生・上司・家族など、頼めばやってもらえる関係の文です。

先生は私たちにグループで話し合わせました。The teacher had us discuss in groups.
弟にバッグを運んでもらいました。I had my brother carry my bag.
彼女が息子に皿を洗わせました。She had her son wash the dishes.
上司にみんなでもう一度確認させられました。My boss had us check it again.
上司は彼に、会議の前にすべてのデータを再確認させました。The boss had him double-check all the data before the meeting.
彼女はプロのカメラマンに結婚式の写真を撮ってもらいました。She had a professional photographer take photos at her wedding.

「確認させられました」は日本語だと受け身ですが、英語では 上司を主語にして My boss had us ... と能動態で言う ほうが自然です。

let で言う練習(させてあげる)

let は相手の「やりたい」を通してあげる動詞です。自分が主語で「〜させて」とお願いするときにもよく使います。

彼は弟にゲームをさせてあげました。He let his younger brother play the game.
私に手伝わせてください。Please let me help you.

Let me help you. は「手伝わせて」という申し出の定番です。Let me check.(確認させてください)、Let me think.(ちょっと考えさせて)も同じ形なので、会話ではこの 3 つがいちばん出番の多い使役動詞かもしれません。

get … to で言う練習(頼んでしてもらう)

get だけは後ろの動詞に to が付きます。to を落とさないように口に出してください。

友人に車を修理してもらいました。I got my friend to fix my car.
彼が妹に部屋を片づけさせました。He got his sister to clean the room.
彼女は息子にピアノを練習させました。She got her son to practice the piano.

「髪を切ってもらった」は have / get + もの + 過去分詞

結論から言うと、ものが「される」側に回るときは、have または get の後ろに「もの + 過去分詞」を置きます。

冒頭の「髪を切ってもらった」は、切る人(美容師)ではなく「髪」が主役です。髪は「切られる」側なので、cut は過去分詞として後ろに置きます。

言いたい日本語形例
髪を切ってもらったhave + もの + 過去分詞I had my hair cut at the hair salon.
車を修理してもらう必要があるget + もの + 過去分詞I need to get my car repaired.

have と get はここでも入れ替えられます(I need to have my car fixed. も正しい英語です)。誰にやってもらったかを言いたいときは、I had my car fixed by a friend. のように by を後ろに足します。

私は美容院で髪を切ってもらいました。I had my hair cut at the hair salon.
私は車を修理してもらう必要があります。I need to get my car repaired.

「髪を切ってもらった」は、I got a haircut at the salon. と名詞で言うこともできます。こちらは語順を考えなくていいので、とっさのときの逃げ道として持っておくと安心です。

日本語の「させる」「してもらう」から形を引く

話すときに必要なのは、日本語の言い回しから形を引く索引です。

言いたい日本語形例
(嫌でも)〜させた・させられたmake + 人 + 原形My mother made me finish my homework.
〜のせいで〜したmake + 人 + 原形(主語は原因)The movie made me cry.
(頼んで当然の相手に)〜してもらったhave + 人 + 原形I had my brother carry my bag.
〜させてあげたlet + 人 + 原形He let his younger brother play the game.
〜させて(ください)let me + 原形Please let me help you.
(頼み込んで)〜してもらったget + 人 + to + 原形I got my friend to fix my car.
(ものを)〜してもらったhave / get + もの + 過去分詞I had my hair cut at the hair salon.

「させてあげた」「させて」なら let、それ以外は make か have か get です。この 3 つで迷ったら、相手が嫌がっていたかどうか だけ考えてください。

受動態にすると to が付く(make の場合)

結論から言うと、My mother made me clean my room. を受動態にすると I was made to clean my room by my mother. となり、原形だった clean が to clean に変わります。

能動態では to を付けないのに、受動態では to が必要になる。この点は 知覚動詞(He was seen to leave the room.)と同じです。

let と have は、この形の受動態をほとんど使いません。「させてもらえた」「してもらうよう頼まれた」と言いたいときは、別の動詞に言い換えます。

能動態受け身で言うとき
My mother made me clean my room.I was made to clean my room by my mother.
My parents let me go.I was allowed to go.
My boss had me check the data.I was asked to check the data.

会話では能動態のほうがずっと多く使われます。「make の受動態なら to が戻る」と覚えておけば十分 です。

よくある間違い

使役動詞のミスは、ほとんどが to と語順です。

✗ 間違いThe movie made me to cry.

◯ 正しいThe movie made me cry.

なぜmake の後ろは to なしの原形。want me to の感覚で to を入れない

✗ 間違いPlease let me to help you.

◯ 正しいPlease let me help you.

なぜlet の後ろも to なしの原形

✗ 間違いI got my friend fix my car.

◯ 正しいI got my friend to fix my car.

なぜget だけは to が必要

✗ 間違いI had cut my hair at the hair salon.

◯ 正しいI had my hair cut at the hair salon.

なぜhad cut は過去完了(自分で切り終えていた)。「もの」を先に置いてから過去分詞

✗ 間違いI need to get my car repair.

◯ 正しいI need to get my car repaired.

なぜもの(車)は「修理される」側なので過去分詞

△ 不自然I cut my hair at the hair salon.

◯ 自然な言い方I had my hair cut at the hair salon.

なぜ自分で切ったようにも聞こえる。美容院で切ってもらったなら have + もの + 過去分詞

もう一つ、間違いではないのに気持ちが変わるケースがあります。文法は正しいので、何が伝わるかで並べます。

言いたい日本語つい言ってしまう英語それが伝える意味言いたいことに合う形
弟にゲームをさせてあげたHe made his younger brother play the game.嫌がる弟に無理やりやらせたHe let his younger brother play the game.
私に手伝わせてPlease make me help you.私に手伝いを強制して(不自然)Please let me help you.
友だちに頼んで車を直してもらったI made my friend fix my car.嫌がる友だちに直させたI got my friend to fix my car.

make を使うと「相手が嫌がっていた」という含みが乗ります。相手の気持ちに合う動詞を選べているか が、この記事のゴールです。

仕上げ:4 つの使役動詞を混ぜて練習(6問)

最後に、4 つの使役動詞と「もの + 過去分詞」を混ぜた 6 問です。前半に出た文も混ざっています。今度は答えが隠れているので、日本語を見て 3 秒で英語を声に出してから、「答えを見る」をタップして確認してください。

彼女はプロのカメラマンに結婚式の写真を撮ってもらいました。
答えを見る答えを隠すShe had a professional photographer take photos at her wedding.
私は車を修理してもらう必要があります。
答えを見る答えを隠すI need to get my car repaired.
先生にみんなで文を声に出して読まされました。
答えを見る答えを隠すThe teacher made us read the sentence aloud.
私に手伝わせてください。
答えを見る答えを隠すPlease let me help you.
友人に車を修理してもらいました。
答えを見る答えを隠すI got my friend to fix my car.
その知らせで彼は考え直しました。
答えを見る答えを隠すThe news made him think again.

3 秒以内に 4 問以上出てきたなら、形は口に入っています。詰まった文は、明日もう一度だけ言い直してください。

使役動詞の文は「動詞 + 人 + 動詞の原形」という形が 知覚動詞 とまったく同じなので、続けて練習すると両方がまとめて定着します。「昨日あったこと」を語る練習は 過去形を使った英語スピーキング練習 で、受け身の言い方は 受動態を会話で自然に使うコツ で扱っています。want to や enjoy -ing のように、動詞の後ろが to か -ing かで迷う方は 不定詞と動名詞の使い分け で練習できます。上司や同僚に何かを頼む場面の英語は ビジネス英語の瞬間英作文 もどうぞ。

SpeakSprint で使役動詞を練習する

この記事の練習問題は、SpeakSprint の「使役動詞」ユニットと「第5文型 SVOC:させる・してもらう」ユニットから引用しています(表や間違いの例には、説明のために作った文も混ざっています)。アプリでは同じ問題を、日本語を見て声に出し、AI の採点を受けながら練習できます。

採点は正解・不正解だけでなく、どこがどう問題だったのかを 12 種類の文法カテゴリで返します。make と have のどちらで答えても日本語の意味に合っていれば正解になり、to の混入や語順の崩れは指摘として返ってきます。カテゴリの全体像は 英語が伸びない原因がわかる にまとめています。

人に頼んだこと・人にさせたことを 1 文で言う練習を、日本語を見て英語を組み立て、実際に声に出して回答する形で毎日続けたい方に向いています。

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よくある質問

使役動詞の make・have・let・get は何が違いますか?

相手がそれをどう思っているかで選びます。make は相手の気持ちに関係なくさせる(強制)、have は頼めば当然やってもらえる相手にしてもらう、let は相手がしたいことをさせてあげる(許可)、get は頼んだり説得したりしてやってもらう、という違いです。実際の会話では make・have・get は入れ替えても通じる場面が多く、迷ったら相手が嫌がっていないなら have、嫌がっていたなら make にすると大きく外しません。let だけは許可の意味なので、ほかの 3 つとは入れ替えられません。

get だけ to が付くのはなぜですか?

make・have・let は後ろに動詞の原形をそのまま置きますが、get は ask や persuade と同じように後ろに to 不定詞を取る動詞です。I got my friend to fix my car. のように、get + 人 + to + 動詞の形になります。理由を覚えるより、get だけは to が付く、と形で覚えてしまうほうが話すときには早く出てきます。I got my friend fix my car. と to を落とすのが典型的なミスです。

「髪を切ってもらった」は英語でどう言いますか?

I had my hair cut. または I got my hair cut. です。髪は切られる側なので、have や get の後ろに、もの(my hair)と過去分詞(cut)の順で置きます。I had cut my hair. と語順を逆にすると、自分で髪を切り終えていたという過去完了の意味になるので注意してください。名詞を使って I got a haircut. と言うこともでき、こちらは語順を考えなくてよいので、とっさのときに便利です。

使役動詞を受動態にするとどうなりますか?

make は受動態にすると to が戻り、My mother made me clean my room. が I was made to clean my room by my mother. になります。let と have はこの形の受動態をほとんど使わないので、させてもらえたなら I was allowed to go.、してもらうよう頼まれたなら I was asked to check the data. のように別の動詞で言い換えます。会話では能動態のほうがずっと多く使われます。

使役動詞と知覚動詞は何が違いますか?

形はどちらも動詞 + 人 + 動詞の原形で同じですが、意味が違います。使役動詞(make / have / let)は相手に何かをさせる、してもらう、させてあげるという働きかけを表し、知覚動詞(see / hear / feel)は相手の動作を見た・聞いた・感じたという知覚を表します。どちらも後ろの動詞に to を付けない点が共通で、make と see・hear は受動態にすると to が戻る点も同じです。形が同じなので、続けて練習すると両方がまとめて定着します。

関連記事: 知覚動詞は原形か -ing か / 受動態を会話で自然に使うコツ / 英文法の記事一覧

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